Webサイトを運用する上で欠かせないWebアプリケーションは、企業の大小に関わらず攻撃対象になることがあり、攻撃を受けてしまうと甚大な被害が生じる危険性があります。
企業がWebアプリケーションを効率良く、安全に運用していくためにも、Webアプリケーションにおけるセキュリティ上の問題とその対策について把握しておきましょう。
Webアプリケーションに生じうるセキュリティリスク
Webアプリケーションを運用する上で、どのようなセキュリティリスクが生じる可能性があるのでしょうか。まずはWebアプリケーションに起こりやすいセキュリティリスクの内容についてご紹介します。
個人情報の漏洩
Webアプリケーションを導入する際、氏名や住所、クレジットカード番号などの個人情報を登録する機会も多いでしょう。
しかし、Webアプリケーションの脆弱性を狙った不正アクセスが発生すると、Webアプリケーション内に保存された個人情報が外部に流出する恐れがあります。
個人情報の流出は金銭的な被害だけでなく、企業にとっての社会的信用にも重大な影響をもたらします。例えば、ECサイトで使用するシステムに不正アクセスがあり、顧客の個人情報が流出してしまうというケースも実際に起こっています。
このように個人情報の漏洩は、企業だけでなく顧客にも被害が及び、企業は社会的信用を大きく失ってしまうことにつながるのです。また、個人情報の漏洩をきっかけに悪評が立ち、大きな機会損失につながることもあります。
情報やシステムの損壊
個人情報の漏洩だけでなく、保有している情報やシステムそのものを破壊されたり、サービスの動作を妨害されることにより、業務を遂行できなくなるケースもあります。
例えば、ECサイトなどのWebアプリケーションでは、顧客が送信するデータをサーバー経由でデータベースに登録します。このデータベースを管理するシステムに対して、Webアプリケーションが意図しない動作を実行することで、データベース上のデータが消去または改ざんされてしまう恐れがあり、最悪の場合はシステムそのものが正常に機能しなくなってしまいます。
Webアプリケーション本来の機能が停止することで、業務に大きな支障が生じるだけでなく、復旧対応が遅れ企業の経営や売上にも影響が及ぶなど、甚大な被害となる危険性も大きいといえるでしょう。
利用者への攻撃
Webアプリケーションの中には、利用者のブラウザ上でスクリプトを実行するものがあります。このようなWebアプリケーションで、個人情報を奪ったり、利用者の端末上で不正な操作を行う攻撃を「クロスサイトスクリプティング」といいます。
アプリケーションが意図しない動きを利用者のブラウザ上で実行され、マルウェア感染やフィッシングなどの被害が発生する恐れがあります。
また、利用者のWebブラウザとWebサーバー間でのHTTPという通信の中に、個々の処理に情報を連動させるセッションという一連の流れがあります。このセッションの管理に脆弱性があると、攻撃の内容によっては利用者のなりすましが発生してしまう恐れがあります。
このように、企業に留まらず、利用者にもさまざまな実害が生じる危険性もあるのです。
Webアプリケーションのセキュリティを高めるには
Webアプリケーションへの攻撃は、企業などの組織に限らず、利用者個人にも甚大な被害を及ぼしかねません。
多方面への被害を抑えるために、Webアプリケーションへの攻撃を防ぎ、セキュリティを強化するためにはどうすれば良いのでしょうか。主なセキュリティリスクへの具体的な対策方法をご紹介します。
システムやCMSを最新に保つ
セキュリティ対策を行う上で、まず安全なWebアプリケーションを運用することが第一です。お使いのCMS(Content Management System)などのWebシステムは常に最新バージョンにアップデートしておきましょう。
また、CMSをカスタマイズするために豊富な数のプラグインが利用できますが、これらプラグインにも脆弱性が確認されています。CMS本体だけではなく、利用しているプラグインについても最新バージョンにアップデートすることが大切です。
企業に広く利用されているソフトウェアやWordPressのようなCMSは、サイバー攻撃の対象となりやすいことから、アップデートすることで新たな攻撃へのセキュリティ対策を取り入れた新機能を実装する必要があります。
利用しているCMSなどのWebシステムのアップデートはこまめに行いましょう。
不正なアクセスを遮断する
システムそのものの安全性を考慮した上で、脆弱性を狙った不正アクセスを防止することも大切です。
不正アクセス防止には、セキュリティ対策システムを導入し、アクセスする道筋を断つのがおすすめです。
ファイアウォールとは、不要に開放されたポートやプロトコルを遮断し、不正アクセスが起こりやすい侵入経路を防ぐ機能です。共用レンタルサーバーなどではサービスを提供している事業者が設定を行うため、利用者側が自ら設定を行う必要はありません。
次にIPSとは、「Intrusion Prevention System」の略で、秒単位で大量のアクセスを行うDoS攻撃などの不正な通信に対し、リアルタイムに反応し、不正アクセスを破棄・遮断します。
ファイアウォールはポート番号などの発信元情報に限定してセキュリティ対策を行うのに対し、IPSはファイアウォールの範囲外となる不正アクセスを防止します。
このように、攻撃の余地を狭める機能を活用し、不正アクセスの遮断に努めましょう。
WAFにより高度な攻撃を対策する
ファイアウォールやIPSで不正アクセスに対応したとしても、データベースを不正に操作する「SQLインジェクション」や、Webページを不正に動作させる「クロスサイトスクリプティング」といった、Webアプリケーションそのものへの攻撃を防ぐことはできません。
このようなWebアプリケーションに起こりうるセキュリティリスクへの対策に有効なセキュリティ製品が「WAF(ワフ)」です。
WAFとは、「Web Application Firewall」の略で、Webアプリケーションの脆弱性を悪用する攻撃に対して非常に有効です。パスワードなどを大量に自動生成して不正アクセスを試みる「ブルートフォースアタック(総当たり攻撃)」を防ぐ効果も期待できます。
WAFには、ハードウェアタイプであるアプライアンス型のほか、ソフトウェア型、クラウド型の3種類があります。
大手のレンタルサーバー会社が提供する共用レンタルサーバーでは、WAFが標準搭載されていることが多くなっています。事業者によって機能の有無や設定方法が異なるため、気になる方は一度確認しておきましょう。
<まとめ>WAFを導入してWebアプリケーションのセキュリティを固めよう
Webアプリケーションにおけるセキュリティリスクを回避するためには、あらゆる侵入経路をブロックする必要があります。
EGセキュアソリューションズ株式会社では、純国産WAF「SiteGuardシリーズ」を開発・販売しており、クラウド型、ホスト型、ゲートウェイ型をご用意しています。高品質ながらも、コストを抑えてWAFを導入することができます。
Webアプリケーションのセキュリティ対策として、WAFの導入を検討の際はぜひ当社までご相談ください。
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