エクスプロイトコード

 2021.06.30  株式会社ジェイピー・セキュア

エクスプロイトコードは、サイバー攻撃をするために脆弱性を悪用して作成されたコードの総称です。脆弱性のあるWebサイトやコンピューター、ソフトウェアにとってエクスプロイトコードは重大な脅威となります。

そこで今回は、エクスプロイトコードについて解説し、有効な3つの対策について紹介します。

エクスプロイトコードとは

まずは、エクスプロイトコードについて概要を整理しておきましょう。エクスプロイトは、コンピューターのリスクを高める大きな要因の一つとなっています。セキュリティ対策をより強固にするうえで、エクスプロイトコードの意味を理解しておくことはとても重要です。

エクスプロイトとは?

エクスプロイトとは、本来はコンピューターの脆弱性の有無を検証するための手段を指しますが、それを悪用したプログラムという意味でも用いられます。そのため、エクスプロイトコードは、主にコンピューターやソフトウェアの脆弱性を悪用して攻撃するためのコードのことを指します。

エクスプロイトコードを用いたサイバー攻撃からコンピューターを守るためには、脆弱性対策の徹底が必要です。まずはエクスプロイトコードの存在と意味を理解したうえで、脆弱性対策の手段を考えていきましょう。

エクスプロイトコードとマルウェアの違い

サイバー攻撃の用語としてよく耳にする「マルウェア」と「エクスプロイトコード」は、どのような違いがあるのでしょうか。

マルウェアは、コンピューターウイルスなど不正なプログラムの総称です。マルウェアに感染したコンピューターは、内部でウイルスを増殖させたり、外部に拡散させるなどの行為に悪用されます。

これに対してエクスプロイトコードは、あくまでコード片の一つにあたりますが、多くは悪意を持って利用されるため、エクスプロイトを用いて作成されたプログラムもマルウェアの一種という扱いになり、性質の違いはあるものの、ウイルス対策ソフトによる検出の対象となることがあります。

エクスプロイトコードは、本来はセキュリティ検証などに使われています。しかし攻撃者はこのエクスプロイトコードを悪用し、コンピューターの脆弱性をついて不正アクセスなどの攻撃を行うのです。

エクスプロイトコードによる攻撃、感染経路

エクスプロイトコードによる攻撃や感染の経路は、主に以下のようなケースが考えられます。

  • エクスプロイトコードが仕込まれたWebサイト
  • エクスプロイトコードが仕込まれたメール
  • エクスプロイトコードによるWebサイトへの直接攻撃

攻撃者は、目視ではわからないようにエクスプロイトコードをWebサイトやメールに仕込みます。それにより、エクスプロイトコードが仕込まれたWebサイトやメールを閲覧しただけでも、閲覧者のコンピューターはエクスプロイトコードによる攻撃を受ける恐れがあります。

また、エクスプロイトコードを使ったWebサイトへの直接攻撃も考えられます。悪意ある第三者が不正なリクエストをWebサイトに大量送信したり、不正侵入した際にサーバー内にエクスプロイトコードを仕込んだりすることで、Webサイトはエクスプロイトコードによる攻撃を受けることになります。

エクスプロイトキットによる脅威の増大

エクスプロイトコード自体は、実際のところは一つの難解なコード片に過ぎません。しかし、その脅威が増大するエクスプロイトキットというものがあります。

エクスプロイトキットとは

エクスプロイトキットとは、Webサイトやコンピューターを攻撃するために作られた、複数のエクスプロイトコードをまとめたツールのことです。エクスプロイトコードによる攻撃を容易にする脅威の高いものとされています。

エクスプロイトコード自体は、先ほども触れたように、難解なコード片に過ぎないものです。しかしエクスプロイトキットを使うことで、エクスプロイトコードの応用が簡単にできてしまうため、Webサイトやコンピューターの被害も拡大しやすくなります。

攻撃者は、このエクスプロイトキットを使用してWebサイトやコンピューターの脆弱性を悪用し、不正侵入やデータ改ざん、プログラムの破壊などを行います。セキュリティ対策のソフトウェアやツール、サービスの質が高まっている一方で、このような攻撃ツールも進化し、高度になっているという実情があります。

代表的なエクスプロイトキット

注意すべき代表的なエクスプロイトキットは、例として以下のようなものがあります。

Angler

Anglerは最も高度で、よく使用されるキットの一つです。暗号化されたファイルを開いたり、一般に公表されていない脆弱性をついたコードをいち早く取り込んで攻撃したりします。ターゲットにしているコンピューターのハードディスクではなくメモリからプログラムを実行するという特徴があります。

Nuclear Pack

JavaやAdobe Readerなどの脆弱性をつくエクスプロイトキットの一つです。ネットバンキングを狙うトロイの木馬をロードさせる仕組みも持っています。

Rig Exploit Kit

近年世界的に広く出回るようになったエクスプロイトキットの一つで、Internet ExplorerおよびAdobe Flash Playerの脆弱性を狙って攻撃し、マルウェアに感染させます。

EaaS

SaaSをもじったと言われているEaaSもエクスプロイトキットの進化形として、最近その動向が注視されています。エクスプロイトキットの提供業者がサービスとして提供を行うことで、より簡単にサイバー攻撃を実現させるという厄介なものです。業者側がエクスプロイトコードをホスティングし、オンラインのサービスとしてEaaSを提供するため、攻撃者はエクスプロイトコードを仕込む必要はなく、そのサービスを利用するだけでより容易にサイバー攻撃ができるようになるのです。

エクスプロイトコードの対策方法

エクスプロイトコードやエクスプロイトキットからWebサイトやコンピューターを守るためには、エクスプロイトコードやエクスプロイトキットに対抗するセキュリティ対策が必要となります。有効な3つの対策について見ていきましょう。

ソフトウェアを最新の状態に保つ

OSやソフトウェアの更新は定期的に行いましょう。常に最新バージョンが利用できるよう、通知や自動更新の仕組みを活用することが理想です。最新のバージョンには脆弱性の修正、つまりエクスプロイトコードによる攻撃への対策が含まれていることがあります。最新のバージョンが提供された場合は、早急にアップデートするように心がけましょう。旧バージョンのまま運用を続けてしまうと、脆弱性を悪用され、エクスプロイトコードで攻撃されてしまう恐れがあり非常に危険です。

不用意に不審なメールやWebサイトを開かない

メールやWebサイトの閲覧によって、エクスプロイトによる攻撃を受けるケースも多くなっています。

エクスプロイトコードやエクスプロイトキットによる攻撃を避けるには、不用意に不審なメールやWebサイトは開かないことが大切です。教育や訓練による運用面での対策に加え、万一に備えて前述のOSやソフトウェアの更新を含めた対策を徹底するようにしましょう。

セキュリティ製品を導入する

セキュリティ製品を導入して対策をより強固にすることで、エクスプロイトコードやエクスプロイトキットによる攻撃から守ることも重要です。

定期的なアップデートで対策するだけでは、日々巧妙になっていくサイバー攻撃に対応しきれないことがあります。OSやソフトウェア、Webサイトの脆弱性が発覚しても、すぐに修正やアップデートができない場合など、セキュリティ製品を導入することでカバーすることが可能になり、最新の攻撃にも対応しやすくなります。

Webサイトの不正アクセス対策にはWAFが有効

エクスプロイトコードは、Webサイトやコンピューターの脆弱性を攻撃するコードです。エクスプロイトコード自体はセキュリティ検証などにも利用されるため脅威につながらないこともありますが、エクスプロイトキットは、サイバー攻撃を目的としたツールで、容易に且つ高度な攻撃を展開される恐れがあります。

Webサイトのセキュリティ対策には、WAFが優れた効果を発揮します。ウェブアプリケーションの脆弱性を悪用した攻撃への包括的なセキュリティ対策には、JP-Secureが提供するソフトウェア型WAF「SiteGuardシリーズ」が有効です。WAF導入をご検討の際は、ぜひご相談ください。

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