情報セキュリティガイドラインとセキュリティポリシー策定のヒント

 2022.06.02  2022.07.12

企業が信頼を獲得していくためには、ネットワーク、ウェブサイト、システム等の情報セキュリティを徹底する必要があります。情報セキュリティを検討するには、官公庁や公的法人などが示すガイドラインを参考にするとよいでしょう。

情報セキュリティについては、さまざまな団体がガイドラインを発表しています。ガイドラインにはセキュリティ対策の具体的な方法が記載されているため、対策を強化・徹底するうえで、非常に役に立ちます。

そこで今回は、情報セキュリティ対策ガイドラインについて解説しながら、セキュリティポリシー策定のヒントを紹介します。

情報セキュリティの必要性

そもそも、情報セキュリティの必要性はどのようなところにあるのでしょうか。まずは情報セキュリティの必要性について、おさらいしておきます。

企業は情報セキュリティに対して高い意識を持ち、情報を守るためのセキュリティ対策を実践していくことが重要です。セキュリティ対策がずさんだと、機密情報や顧客データなどが流出する恐れがあるからです。ほかにも、サイトの乗っ取りやウイルス感染などの被害を受ける可能性があります。サイバー攻撃によって、自社の重要なシステムやサーバーがダウンしてしまうケースもあるでしょう。

情報セキュリティに対する意識の低さは、信用失墜の要因になり得ることを認識しておく必要があります。

インターネット社会となった現在は、世界各地で毎日のようにサイバー攻撃の被害が確認されています。世界的に見ても、情報セキュリティは企業活動において欠かせない課題なのです。

中小企業における情報セキュリティの重要性

大企業のみならず、中小企業でも情報セキュリティについて意識を高める必要があります。

中小企業は大企業と比べてセキュリティにかけられる予算が少なく、またITリテラシーの高い人材が不足しやすい傾向があります。そのためセキュリティ対策が進んでおらず、かなり古いセキュリティシステムを使用しているところも少なくありません。

そのため、サイバー攻撃を仕掛ける側にとって格好の標的になることがあります。情報漏洩やサイト改ざんなどのトラブルに見舞われないためにも、早急な対策が求められます。 

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セキュリティポリシーとは

セキュリティポリシーとは、企業や組織が行う情報セキュリティ対策について、どういう情報資産を、どのような脅威から、どのように保護するかを定めた基本方針や対策基準です。また情報セキュリティを確保するための規定や体制、具体的な手順などを記載する場合もあります。

セキュリティポリシーを策定することによって、以下の2点を明らかにすることができます。

  • 自社が最優先で守るべきもの
  • 現段階のセキュリティ対策で不足しているもの

また、セキュリティポリシーとして明確なルールを策定することで、経営陣のみならず会社全体で情報セキュリティについての意識を高めることができ、高度なセキュリティ対策の徹底につなげるためにも重要なものになります。

セキュリティガイドラインの有効活用

経済産業省やIPA(情報処理推進機構)などが定めるセキュリティガイドラインには、情報セキュリティにおいて企業がどのように対処すべきかの行動指針や具体的なルールが書かれています。

これらのガイドラインは、自社のセキュリティポリシーを策定する際、とても有益な参考資料になります。各種団体が発表しているセキュリティガイドラインを活用し、セキュリティポリシーを策定することで、自社が重要視するものや、セキュリティ対策で不足しているポイントがおのずと明らかになり、セキュリティ対策を一層強化することができるでしょう。

セキュリティガイドラインの紹介

情報セキュリティガイドラインは、いくつかの情報処理関連団体が作成しています。いずれも情報セキュリティを強化する際に役立ちますが、経済産業省の「サイバーセキュリティ経営ガイドライン」や、IPAの「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」は非常に参考になります。

ここでは、それぞれのガイドラインの特徴を簡単にまとめましたので紹介していきます。

サイバーセキュリティ経営ガイドライン

経済産業省の「サイバーセキュリティ経営ガイドライン」は、IPAと共同で作成したセキュリティガイドラインです。大企業及び中小企業のうち、ITサービスを提供する企業やITの利活用を必要とする企業の経営者を対象に、経営者のリーダーシップの下で、サイバーセキュリティ対策を推進することを目的にしたガイドラインです。

中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン

中小企業の経営者や情報セキュリティ担当者は、IPAの「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」も確認しておくとよいでしょう。これは、中小企業向けの具体的な対策や実践手順が書かれたガイドラインで個人事業主や小規模事業者なども含まれます。付録資料として、情報セキュリティ基本方針のサンプルも公開されています。

組織における内部不正防止ガイドライン

IPAが作成する内部不正による情報漏洩などを防ぐためのガイドラインで、こちらも情報セキュリティ対策の参考になります。社内での不正防止のほか、早期発見、拡大防止の観点も含まれています。

内部不正対策ソリューションガイド

上記の「組織における内部不正防止ガイドライン」に関連したガイドラインでJNSAが公開しています。組織における内部不正を抑制するためのソリューションガイドになっており、内部不正防止の具体的な解決策を紹介することを目的とした文書です。

セキュリティポリシーの策定

セキュリティポリシーは、企業が情報セキュリティ対策を実践していくうえで基本となる方針です。組織の規模や業務形態、保有する情報資産の種類などによってその内容は異なりますが、実行可能な内容でなければなりません。情報資産を扱うすべての組織、社員が一丸となって情報セキュリティを徹底していく必要があります。自社のシステム構成のほか、予算や適用までの期間、将来的な維持・管理の観点も踏まえて、実現可能な体制、ルール、運用方針を検討しておくとよいでしょう。

外部のノウハウを有効活用する

IT技術が進む現代において、セキュリティ対策の強化は企業にとって非常に重要度の高い課題です。実際にセキュリティポリシーを策定する際は、これまで紹介したセキュリティガイドラインを有効活用するといいでしょう。

セキュリティ対策の強化・徹底には、専門知識を持つコンサルタントのアドバイスやセキュリティ製品の導入も有効です。EGセキュアソリューションズは、サイバーセキュリティの専門企業です。情報セキュリティについて、お困りのことがありましたら、お気軽にお問い合わせください。

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